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『誰もが使えるWeb3』を実現した!Aptos LabsのThomas Chou氏が語る「ブロックチェーンの大衆化」
投稿日 2025年5月30日 22:30:43 (IT 科学)
ブロックチェーンは一部のマニアや投資家のもの──そんな認識を覆し、誰もが使える「生活の中のインフラにしたい」と考えた企業がある。Aptos Network で有名なAptos Labsだ。今回は、同社のマーケティング担当・Thomas Chou氏に、日本市場での戦略と将来の展望について話を聞いた。
■ブロックチェーン技術が大阪・関西万博の公式ウォレットアプリへ
―― まずは簡単な自己紹介と御社の事業について教えてください。
Thomas Chou氏:Thomas Chouと申します。現在、日本をはじめとするアジア全域におけるマーケティングの責任者を務めております。
HashPaletteは昨年10月、Aptosの完全子会社となり、それに伴いPaletteChainはAptos Networkへと移行いたしました。
Palette Chainは、日本を代表するエンターテインメント特化型ブロックチェーンであり、これまでゲーム、アニメ、スポーツなど多様なジャンルのNFTプロジェクトの基盤として活用されてきました。
一方、Aptos Networkは、Meta社(旧Facebook社)がかつて手掛けていたステーブルコインプロジェクト「Diem(旧Libra)」にルーツを持つレイヤー1のブロックチェーンです。高いスケーラビリティ、ユーザビリティ、セキュリティを兼ね備えており、Web3インフラとして非常に高い性能を有しています。
また、チェーンの経済圏規模を示す主要指標の一つであるTVL(Total Value Locked)においても、Aptos Networkは10億米ドルを超える規模を誇り、過去12ヶ月で473%の成長を記録しました。これにより、弊社はグローバルWeb3市場への強力なアクセスチャネルを提供できる体制を構築しております。
――「2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)」の公式ウォレットアプリ「EXPO2025デジタルウォレット」で採用されましたが、その背景としてこれまでの導入実績や行政・企業との信頼構築についてお聞かせください。
Thomas Chou氏: はい。大阪・関西万博においては、弊社のAptos Networkが公式ウォレットアプリのブロックチェーンネットワークとして採用されました。この背景には、これまで国内外で培ってきた数々の導入実績とパートナーシップの積み重ねがあります。
グローバルでは、アセットマネジメント領域において複数の金融機関との連携が進んでおり、信頼性と拡張性を兼ね備えたブロックチェーンインフラとして評価をいただいております。
また、エンターテインメント分野においても、ユニバーサルの親会社とのパートナーシップを通じて、コンテンツ配信や著作権管理の高度化に取り組んでおり、実用的なWeb3ユースケースの先端事例を構築してまいりました。
こうした実績が総合的に評価され、大阪・関西万博という国家的なプロジェクトにおいて、弊社技術が公式ウォレットアプリとして採用されたものと自負しております。
―― 日本市場でのマーケティング戦略について教えてください。
Thomas Chou氏:私たちは、「EXPO 2025 デジタルウォレット」のような大規模な社会実装を推進することを目指しております。このウォレットでは、利用者が弊社のブロックチェーン技術を意識することなく自然に活用できる設計となっており、「意識しないWeb3」の実現に向けた重要な実証事例となりました。
こうした実績と、大阪・関西万博の公式ウォレットアプリへの採用という高い信頼性を活かし、今後はさまざまな企業とのタイアップを通じて、ユースケースの幅をさらに拡張していきたいと考えております。
また、教育分野との連携にも注力しており、ブロックチェーンリテラシーの底上げを目的としたコラボレーションを積極的に進めています。
現在、海外ではすでに複数の大学と連携し、次世代のエンジニア育成に取り組んでおりますが、今後は日本国内の大学・教育機関との協業にも力を入れていく予定です。
これにより、技術人材の裾野を広げ、ブロックチェーンの健全な社会定着を支える基盤を築いてまいります。
■低コスト、かつ安心・安全なブロックチェーン技術を提供
―― 競合との違いとAptos Labsならではの強みは、どこにございますか?
Thomas Chou氏:ご存じのとおり、ブロックチェーンには数百種類ものプロトコルが存在しており、ビットコインをはじめ、現在ではイーサリアムが最も注目を集める存在となっています。
その中で、Aptosの最大の強みは「低コストかつ高性能なブロックチェーン基盤」であることです。特に、安全性においては確かな実績があり、他のレイヤー1チェーンと比較しても優位性があると自負しています。
また、技術的観点からも導入のしやすさは際立っており、開発者・運用者の双方にとって扱いやすい設計となっています。
マーケティングの立場から申し上げれば、こうした技術的な優位性を支えとしつつも、我々が注力すべきは「使いやすさ」と「親しみやすさ」の追求にあると考えています。
いかに生活者が意識せず自然に使えるか。『Web3のユーザビリティ向上』が、普及に向けた鍵を握っていると捉えています。
―― 御社が狙っているポジショニングについて教えてください。
Thomas Chou氏:ポジショニングにおいては、企業が導入しやすく、かつ応用しやすいブロックチェーン基盤の提供を目指しています。わかりやすく表現するならば、“次世代のデジタル社会を支えるインフラ”としての立ち位置を想定しています。
弊社のブロックチェーン技術を導入いただく企業様に対しては、その先にいるエンドユーザーにとっても安全かつ利便性の高いシステム環境の構築を支援してまいります。
単なる技術提供にとどまらず、パートナー企業とともに“使われるWeb3”を社会実装していく、それが私たちの役割であり、強みであると考えています。
■日常生活の一部としてのWeb3体験を作りたい
―― 今後の展望と、日本における御社のビジョンや展開についてお聞かせください。
Thomas Chou氏:私たちが目指すのは、「日常生活の一部としてのWeb3体験」の創出です。
大阪・関西万博を契機に、地方イベント、教育、観光、防災といった領域へとユースケースを広げ、将来的には弊社のブロックチェーン技術を『公共インフラに準ずる存在”として定着させること』を目指しています。
たとえば、日本独自のカルチャーである「推し活」においても、NFTを活用したエンゲージメントの強化は大きな可能性を秘めています。ブロックチェーンを通じて、ファンとコンテンツ、あるいは地域との新たな関係構築が進むと考えています。
1. 金融分野への展開
日本は、金融リテラシーが高く、安定した金融制度を持つ国です。こうした土壌において、弊社のブロックチェーン技術によって、低コストかつ高い安全性を備えた次世代の金融インフラを提供することが可能になると考えています。特に資産管理や送金、ステーブルコイン運用の分野での応用が期待されます。
2. ポイント制度の統合
日本には、企業ごとに独自のポイントプログラムが乱立している現状があります。弊社の技術を活用することで、異なるポイント制度を統合・標準化し、より利便性の高いユーザー体験を実現することを目指しています。これは企業にとっても、顧客ロイヤルティの最大化に寄与する施策になると確信しています。
最終的に私たちは、「知らず知らずのうちに使われていたWeb3」という形で、弊社のサービスが生活のあらゆる場面に浸透していくことを目指しています。社会に溶け込み、誰もが恩恵を受けられる形でブロックチェーン技術を普及させていく──それが、私たちAptos Labsのビジョンです。
―― ご多忙中のところ、本日はありがとうございました。
自治体との連携や教育現場への導入、生活者視点に立ったプロダクト開発──それら一つひとつの取り組みは、技術の“未来”を語るものではなく、「生活の今」を変える挑戦だ。
私たちが日常の中で何気なく利用している便利なサービス。その裏側に、Aptos Labsのブロックチェーン技術が組み込まれている──そんな社会は、決して遠い未来ではない。
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